神田物語Ⅱ

神田物語Ⅱ

 

代表詩 『春の空』

ぼくは出会った

きみときみの愛する詩に

ぼくは出会った 澄んだ眼を持つきみに

ぼくは触れた 春の風を耳で 春の光をきみの髪で

初めてきみの唇に触れて春は沸騰し

春の光の渦のなかで ぼくの体は身震いする

きみは月 星 太陽

夜も昼もぼくはその光を映す海

おお いくたびも

春の光はきみの髪できらめくので

髪をなぶる風のなかにさえ

ぼくらは樹のように立ち 朝の空に告げる

愚かな駆け引きと戦いに世界は充ちているから

さ青の空の遠くまでゆくんだ きみと

ぼくは出会った

きみと新しい世界のすがたに

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